創業のころ
昭和26年、東京 阿佐ヶ谷駅前に4坪半のカメラ店ができました。小出芳朗(創業者)、42歳のときの話です。
当時の阿佐ヶ谷駅は、まわりの人が「あんなところに店を出してもお客なんか来やしないよ」というような所で、はじめのころは月に15万円の売り上げがあるかどうかといった毎日でした。店で待っているだけではそうお客様は来ませんから、外に向かって商売をやらざるを得ません。
こうして翌年、コイデカメラの前身である「有限会社 小出写真機店」が設立されたのでした。
知人やお取引先の紹介を得て、官庁・企業・観光地などにフィルムやカメラを納入しました。「儲けるより損をしないよう」心掛け、堅実な商売を続けました。
いくら目立たない売れない店であろうとも、「お客様に喜ばれることが、商売の信用につながる」という基本姿勢は、現在のコイデカメラの企業ポリシーのベースになっています。
当時、まだ普及していなかった月賦販売をいち早く取り入れたのも、このような誠心を形にした良い例です。こうした努力の積み重ねの結果、お客様は徐々に増えていきました。
昭和33年、東京タワーに初めて出店をしました。「阿佐ヶ谷駅前に比べたらお客様も多く、フィルムが売れるだろう」というだけの理由で試みました。
引き続き出店した立川店・千葉店・中野店とも何とか軌道に乗り、「お客様にはこちら側から出店していき、地域に密着すべきだ」との考えにいたり、この成功がその後の多店舗化の礎となったことは言うまでもありません。